エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 寝室のベビーベッドでは、帆香が静かな寝息を立てている。

 それを見ながらパジャマ姿の瑞希は、ホッとため息をついた。

 最近なにが悪いのか、ミルクをあげても抱っこしても夜はなかなか寝付いてくれない。

 ぐずって泣くので、一時間抱っこして腕はパンパンだ。

 それでも、つらいとは思わない。

 海翔が赤ちゃんの時は不安に押し潰されそうな夜もあったけれど、夫と一緒に子育てができる今は心穏やかで、安心して育児を楽しむことができていた。

 間接照明が灯る薄暗い寝室に、そっとドアを開ける音がした。

 顔を覗かせ、「寝た?」と問うのは、潤一。

 彼もパジャマ姿である。


「やっと寝てくれました。今日の私はぐったりです」

「いつもありがとう。明日は早く帰れると思うから、寝かしつけは俺がやるよ」


 潤一は今日、エリゼ宮殿に出向いていた。

 エリゼ宮殿とは、フランス大統領官邸である。

 気を張って疲れているはずなのに、潤一はこうしていつも妻を気遣ってくれる。

 潤一が隣にきて、瑞希の肩を抱いた。

 我が子の可愛い寝顔を見ながら、夫婦はヒソヒソと話す。

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