エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「オー!」という四人の大声が重なり笑った。

その後は各々、あわただしく朝の支度に戻る。

瑞希は海翔を着替えさせつつ、ホッとしていた。

(この家で海翔を育てられてよかった)

両親に妊娠を告げたのは、中絶不可能な時期に入ってからのことだ。

妊娠だけでも驚かせてしまったのに、シングルマザーとして産んで育てると言ったから、仰天ものである。

加えて子供の父の名を尋ねられても答えず、ただ頭を下げて頼みこんだ。

『この家で生活させてください。生まれるこの子に寂しい思いをさせたくないの。生活費はもちろん払うから、どうかこの子の家族になってください』

母子ふたりでの生活も考えたが、それだとどうしても子供に与えてあげられないものがある。

それは家族の賑やかさと温もりだ。

『そんな勝手な頼みは聞けないぞ。誰の子供か言え!』と父に怒鳴られ、母には泣かれた。

それでも瑞希は布施の名を口にせず、膨らんだお腹をかばいながら土下座して、『ここで生活させてください』と必死に頼んだのだ。

そのやり取りを仕事帰りに一週間続け、ついに両親が折れてくれた。

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