エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「そういえば、『やっちゅける』とか『たまちいをこねりゅ』とか言ってましたね。お母さん、さすがです。海翔くんがお絵かき好きになってくれて嬉しいです」

「ちょっと極端ですけどね……」


首をすくめて苦笑いした瑞希は、視線を海翔に戻した。

短くなった赤いクレヨンを小さな手で握りしめ、真剣な目をした海翔が画用紙にグルグルと円を描いている。

お迎えにも気づかない集中力に、瑞希は驚き感心していた。

(二歳でこの集中力。ただものじゃない予感。布施さんに似たのかな)

海翔の顔のパーツは、瑞希より布施に似ていると思っていた。

今は可愛らしいが、将来的に美男子になりそうな整った目鼻立ちをしている。

イヤイヤ期に突入した二歳児では、クールな布施と性格が似ているとは思えなかったが、集中力も布施譲りかもしれない。

外交上の問題発生で省内に緊張が走った時、問題解決に向けての道筋を作っていた布施が怖いくらいの集中力を発揮していたのを思い出す。

海翔と布施が重なって見えて、瑞希の目が潤みそうになった。

(布施さんの子だ。間違いなく、たった一度のあの夜に授かった命……)

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