エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
アルコールが脳より体に効いているのは、まともに食事をしていないせいかもしれない。

きっと瑞希が昼に渡したサンドイッチも食べていないことだろう。

酔い潰れたいができないでいる布施が想うのは、京香のことなのか……。

またしても胸が痛み、これ以上余計なことを考えまいとして瑞希はテキパキと動きだす。

冷蔵庫からスポーツ飲料のペットボトルとグレープフルーツを取り出した。

果汁を絞り、砂糖を加えたスポーツ飲料と混ぜてグラスに注ぐ。

アルコールの分解を速めると聞いたことがあったからだ。

それを持ってベッドサイドに戻り、布施を抱き起こして飲ませる。

それからコートとスーツのジャケットを脱がせ、ネクタイも外した。

布施は片腕で目元を覆い、なされるがままに仰向けに横たわっている。

首が苦しいかもしれないと思った瑞希は、ワイシャツのボタンも外しにかかった。

すると、手首を掴まれる。

「なにをやってる?」

怪訝そうな声に、誤解されたのだと気づく。

「あっ、変な企みはないです。苦しそうだと思ったからボタンをふたつだけ外しました」

焦って弁解しつつ、鼓動を高鳴らせる。

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