エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「お母さん、お風呂上がりのアイスクリームはファミリーパックの小さいものにしてね。海翔に大きいのねだられたら、ないと言って」

「はいよ」


瑞希は携帯電話を手に、隣の寝室に移動した。

隅にたたんで置いてある布団の上に腰かける。

電気もつけない暗い和室で、携帯電話の液晶画面が青白く光っていた。

(かけるのが怖いけど、逃げるわけにいかない。布施さんが父親である可能性を、ここできっぱり否定しておかないと。もしかしてと思わせ続けるのは申し訳ないし、私も嫌。よし、かけよう)

自分に言い聞かせた瑞希は、深呼吸してから布施に電話をかけた。

待っていたのか、ワンコールですぐに布施が出る。


『布施です。森尾?』

「はい」

『かけてくれてありがとう』


たったそれだけの会話で、懐かしさに心が乱される。

声を聞くのは危険だ。

鼓動が否応なしに高まってしまう。

感情の揺れを精一杯、制御して、瑞希は明るい口調で話した。

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