愛しの鳥籠〜独占欲は凶器篇〜
ーーーその日から3日が過ぎた頃。
愛梨沙が失踪したとの一報をマスターから聞き、その日の夜には警察が僕達に事情を聞きに我が家にやってきた。
警察が来る事を事前に知っていたランは錠前を全部隠して「普通の家」を装っていた。
愛梨沙と近しい人間、しかも失踪前最後に会ったであろう僕達3人は、任意での事情聴取を求められ翌日それに応じ、愛梨沙とのやり取りが残っているスマホを提出したり、
愛梨沙が何か悩み事を抱えている感じはなかったかとか、対人関係は良好だったかとか、飲み会の時の様子はどうだったか。
本当に本当に細かい事まで沢山聞かれた。
けれど、僕と大津は愛梨沙とはあくまでバイト仲間ってだけでそれ以外での彼女の事なんてわからないし、ランにあたってはあの1日しか会ったことはないし、その後アプリ内でいくつかやり取りはしたみたいだったが、どれも他愛無い内容のものらしく、それらを踏まえて僕達は「しろ」と判断されて、警察署をあとにした。