世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「うわ怖い。いつにも増して怖い。バレーじゃなくて拳で勝ち負け決めるのか? 今日」
「与田は清谷特化型天然煽りストだからな……」
「脊髄反射で煽るもんな」
神宮寺高校のレギュラーである先輩達は慣れた者である。
しかし、あの二人は絶対にお互いが引かない。なのでこういう時は。
「金井ーー!!金井!!オイ隼也!お前何平然とアップしてんだよ!」
「なんすか、もう始まります?」
「始まんねーよ。ほらアレ、あいつら止めて来い」
「うわ、アイツら何してんだ」
アップをしていた隼也は先輩の指差す先を見る。
そこには二体の巨人が睨み合っていて、今にも壁の中の人類は滅亡しそうだ。隼也はため息をつきながら突撃した。