世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 体育館から出てくるバレー部や、女子達がチラチラとこちらを見ている。
 そりゃそうだ。可愛らしい見た目の女子が、デカイ男を土下座させているんだから。


 もうあかりは半泣きで大パニックだった。
 しかし、視界の隅に映ったある人物の登場により、パァッと表情を明るくする。



「清谷くんっ!!」



 差し入れを持った女子に囲まれ、微動だにしていなかった清谷がぴくりと反応し、ガバッと勢いよくあかりの方を向く。


 清谷は朝から総一郎に絡まれたストレスにより、大天使あかり(清谷目線)の幻覚を見てしまったのかと思った。


 しかし、自分の顔を横から思い切り殴ってみてもあかりは消えない。周りの女子達は引いて居なくなったが。
 清谷には隼也の土下座は見えていなかった。



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