離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
時間はあっという間に過ぎていく。片付けだけはさすがに手伝わせてほしいとキッチンで皿を拭くのを手伝う。
「フルーツあるから、冷蔵庫から出して」
「はい」
デザートまで準備してくれていたなんて、さすが気が利くな。わたしは言われるままに冷蔵庫の扉を開けて驚いた。玉ねぎやピーマン、ベーコンなど、ナポリタンの材料が山ほど入っていたのだ。
「これ、どうしたの?」
「あ。忘れてた。いやぁ、失敗したら作り直すつもりだったから。それに練習もしなきゃだろ。実はもう俺、当分ナポリタンは見たくない」
ひとりで味見をしながら何度も練習をしてくれたのかと思うと、うれしさで胸がトクンと音を立てた。
「ありがとう。慶次さん、本当にうれしい」
思わず満面の笑みになってしまう。
「なぁ、俺はどうして一緒に暮らしている間に、和歌のその笑顔を引き出せなかったんだろうな」
「そんなことないよ。わたし困っていたことなんてそんなになかったですし」
「いや、そうじゃないんだ。和歌、ちょっと座ろうか」
慶次さんはカットしたフルーツをお皿にのせて、わたしにもう一度テーブルの前に座るように促した。
わたしが座ると彼は食事の時とは違い、向かいの席ではなくわたしの隣に座った。そして真剣なまなざしを向けてきた。