離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く

 でも和歌は違った。食事もプレゼントも記念日ごとに手配した。まだ大学生なのにいきなり結婚することになって、戸惑いも多いだろうと最大限に気を遣い、本人が生活しやすいようにしてきたつもりだ。

 話を聞くと恋愛も慣れていないということだったから、夫婦のことはゆっくりと進めるつもりだった。

 しかし結婚して一緒に生活し始めると、それが難しいことだというのを嫌っていうほど思い知らされた。

 自分がこれほど我慢のできない男だと思ったことはなかった。いつ手を出してもおかしくない。

 けれどまだ和歌は学生で、もしかしたら結婚を後悔するかもしれない。そう思うとぐっと我慢するしかなかった。

 社会人になれば立派な大人だ。もし俺との結婚がうまくいかなくても自立できる。だからそこまで待って、やっと迎えた彼女の誕生日。

 まさかそこで離婚を切り出されるなんて。
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