離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
わたしの言葉に慶次さんは「あぁ」と短く答えた。
どうしよう。実はあの日自宅に帰って少ししてからの記憶がないことを伝えないといけない。もうこれ以上、隠し事はしたくない。
「実はその日の記憶があいまいで」
「え……覚えてないのか」
本当に申し訳ないと思いながら頷く。顔を上げて慶次さんの方を見るとあからさまに残念そうな顔をしていた。
「だったら、和歌は俺の気持ちを今、初めて知ったことになるんだな」
「……そうです」
「和歌。ちゃんと答えてほしい。和歌は俺のことどう思ってるんだ?」
彼がまっすぐにわたしを見つめている。
伝えなくちゃ。そのために今日、慶次さんを呼び出したんだから。
「わたし、慶次さんのことが好きです。ずっとあなたの本当の妻になりたかった」
彼の目を見て伝えた瞬間、熱い吐息が頬をかすめ、唇が塞がれた。突然だったけれど熱い口づけに体の奥から、彼を好きだという気持ちがあふれ出しそうになる。
息もつけないほどの激しさ。一度離れてももう一度、もう一度と、何度となく重なる唇。初めて気持ちをさらけ出した後に交わしたキスで、わたしたちはお互いの愛を確かめた。
どのくらいの時間が経ったのか、キスが終わった後も慶次さんはわたしを抱きしめて離さない。わたしも彼の背中に腕を回して、彼の胸に頬をくっつけた。