離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「あの、ご両親もうお帰りになられたんですか? 久しぶりみたいだったので、一緒に過ごさなくて大丈夫でしょうか?」
彼の両親はお父様は海外で事業をしており、お母様はご実家のある北海道で華道教室を開いているらしい。おふたりともお仕事があるので、ずっと別居されていると聞いていたが、今日の式には参列してくれた。
「かまわないよ、今日見て気が付いたけれど、仲が良い家族ってわけじゃないから」
彼の言葉が気になったけれど、こちらから詳しく聞く話ではない。いつか話してくれるだろうと割り切った。
「それより和歌、こっちにおいで」
部屋をうろうろしながら荷物を片付けていると、ソファに座っている彼が呼んだ。
「ここに座って」
「はい」
素直に指示に従い、彼の隣に座る。思いのほかソファがやわらかくて、思わず彼の方に体がかたむきかけたのを慌てて耐えた。そして、彼が話をする前にまずは自分が伝えたいことを口にした。
「小田嶋さん、家のこと全部やってもらってありがとうございます。こういう手続きとか慣れてなくて」
圧倒的に社会経験が少ないわたしは、申し訳ないと思いながらすべて彼に任せていた。
「別に構わないさ。これからなんでも経験してゆっくり慣れればいいから。それより」