離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「そんなのあたり前だろ。親友の結婚式だ。な、七尾」

「うん」

 いつもと違い歯切れの悪い七尾さんの様子に違和感を覚える。

 彼女はうつむきがちだった顔を上げるとわたしの方へ向いた。そして意を決したように深く頭を下げた。

「ごめんなさい。わたしの不用意な言葉で傷つけてしまったみたいで」

「あ……慶次さんったら話しちゃったんですね。あれは完全にわたしの勘違いで本当にお恥ずかしい。顔を上げてください」

 七尾さんは顔を上げたけれど、まだ落ち込んでいる様子だった。

「ほんとこいつがごめんね」

 射水さんがへらへら笑っているのを見て、七尾さんは彼の腕をげんこつで叩いた。

「もとはと言えば、あんたが悪いんだからね。知らない」

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