離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く


「これがおじいちゃんからのプレゼントなのね」

 結婚祝いと称して祖父からわたしたち夫婦に贈られたのは、この大きなベッドだ。

 確かに夫婦になったのだから、一緒に寝るのが一般的だろう。たとえ共に夜を過ごすのが初めてだとしても……だ。

 ベッドを見ただけなのに、なんだか急に緊張してきた。けれどいつまでもここでこうしているわけにはいかない。

 部屋の奥にあるウォークインクローゼットの扉を開いた。中に送っておいた段ボールがあり、そこから着替えを取り出した。

 この日のために用意したドレス型ナイトウェア。色は白でレース使いがとてもかわいらしい。

 もっとセクシーなデザインを店員さんに薦められたが、さすがにそんな勇気もなく、無難なものにした。これでも普段とは違うことに自分でもドキドキしている。

 でも……最初だから、ね。

 知識がないわけじゃない。けれど初めてのことだから、せめてこうやって自分の気持ちを盛り上げて、少しでも慶次さんにかわいいと思ってもらいたい。

 それが乙女心というもの。わたしはいそいそと勝負服を持って、バスルームに向かった。


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