離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く


 ◇ ◇ ◇

 それから一年半。

 わたしと慶次さんはそれなりに仲良く過ごしている。

 彼はわたしを変わらず大切にしてくれたし、わたしも奥さんらしく振る舞えるようになっていた。

 いつも夜遅くに帰宅する慶次さんとは、朝食だけは必ず一緒にとるようにしていた。

 わたしは学生生活を続け、最終学年の四年生になっていた。就職難と言われる中、無事に就職も決まって後は卒業を待つばかり。

 忙しくても月に一度はデートに誘ってくれたし、誕生日やクリスマス、バレンタインにホワイトデー、結婚記念日。それらのイベントだって、夫婦らしく過ごしてきた。

 お互いの距離も縮まったと思う。

 もともとわたしたちの結婚は身近な人にのみ知らせることにしていたので、公の場には彼は相変わらずひとりで参加していたし、わたしも自分が失敗をしでかしそうだったのでそういう場に出なくて済むことにホッとしていた。

 それに人目にさらされると、わたしたちが本当の夫婦になりきれていないのがばれてしまうのではないかという心配もあった。

 そう、一年半経った今もわたしと彼の関係は結婚した時のままだった。

 正確に言えばふたりで積み重ねた時間の分だけ、お互いのことは理解できていると思う。

 手を繋いだり、頭を撫でてもらったり軽いスキンシップだってある。わたししか知らない彼もたくさん知っている。

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