離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
唯の言う通りだ。わたしは四月から事務機器の会社に一般事務として採用されていた。
慶次さんは自社の関連会社へ就職したらいいと言ってくれたけれど、わたしは自分の力で仕事を得られて満足している。唯は都内のデパートで販売員として働くことになっていた。
唯の誘いを受けて、お互いのゼミの授業が終わってからふたりで飲みに出かけた。
イタリアンが美味しい創作居酒屋で、カクテルを二杯。最初は楽しくお酒を飲んでいたが、そこからなんとなく慶次さんの話になり、これまで親友である唯にさえ隠していた秘密を話してしまった。
「えええぇええぇえええ!」
唯の素っ頓狂な叫び声に、周囲の客が何事かとこちらを見ている。迷惑をかけてしまったことに頭を下げて、唯はわたしに顔を寄せてきた。
「あのさ、もう結婚して一年半だよ。それなのに、ないわけ? 体の関係が?」
わたしは頷きながら「やっぱり変?」と聞いた。