離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く


 祖父と楽しい時間を過ごし、都内に戻ってきた。時刻は二十三時。祖父の体が少し心配だったが、終始笑顔の祖父と一緒に、わたしも思い切り楽しんだ。

 そのおかげで帰宅時刻が遅くなった。スーツケースがあり荷物が多かったから、祖父の運転手に送ってもらえて助かった。

 マンションのエレベーターに乗った際にふと気が付いた。今日は沖縄旅行のはずだったので、帰宅の予定はなかった。祖父と一日過ごしていて、慶次さんに旅行が中止になったことを伝えるのをすっかり忘れていたのだ。

 まぁ、今さら連絡してもね。どうせすぐに顔を合わせるんだから。

 そう思って部屋に入ったが、玄関に入った時点でまだ彼が帰宅していないことに気が付く。仕事で遅いのはいつものことだから、わたしは先に自室で着替えたり使わなかった荷物の整理をしたりすることにした。

 沖縄旅行は残念だったけれど、祖父と日帰り旅行はできたからよかったかな。こんなことでもなければ、日々の暮らしに追われてなかなか祖父と過ごす時間が取れない。

 慶次さんにもお土産を買った。紺色と朱色、ふたつでひとつのお守り。実は縁結びのお守りなのだ。本当は家内安全とか夫婦円満とかの方がいいのかもしれないが、この縁結びのお守りが今のわたしたちにしっくりくるような気がして選んだ。

 それを手に取っていると部屋の外から物音が聞こえた。

 慶次さんが帰ってきたんだ!

 ちょっと緊張したが彼を出迎えようと立ち上がる。しかしそこで彼以外の人物の気配と女性の話し声が聞こえてきて体が固まる。

 誰……?
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