離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
「どうにかできれば、どうにかしているさ」

「まああの白木豊のお孫さんとなれば、雑な扱いはできませんよね」

「このままでいいとは思っていない。迷惑かけたな」

「別にわたしは、好きでやっていることなので。社長の身の回りの世話も秘書の仕事ですから、たとえそれが酔っ払いのお世話だとしても」

「ああ。助かった。お前のためにも早くなんとかする」

「まぁ、期待しないで待ちますね」

 しばらくして七尾さんが帰った気配がした。そこに慶次さんの大きなため息が部屋に響く。

「はぁ、和歌かぁ。本当のことちゃんと伝えなきゃな」

 その後バタンと音がして、彼が寝室に入ったのがわかった。しかし彼らの会話が終わった後もわたしはその場で動けずに考え込んでしまう。

 わたしのことをどうにかするって、どうするつもりなの?

 ふたりの言葉が引っかかる。

『好きでやっていることなので』『お前のためにも早くなんとかする』このふたつから導き出した答えに、わたしは絶望を覚えた。

 もしかして慶次さんは七尾さんのことが好きなの?

 それなのにわたしが白木豊の相続人だから別れたくないってこと?

 その考えが頭に浮かんだ瞬間、ものすごく現実的だと思えてきた。
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