離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
彼らがいつ思いを通じ合わせたのかはわからない。けれど今ふたりが思い合っているのならば、この場にわたしがいてはいけない。
わたしでは七尾さんの代わりにもならなかったということなのだから。
最初から事実にしっかりと向き合っていれば、ここまで傷つかなかったのかもしれない。慶次さんがわたしと結婚したのは、完全に祖父の後ろ盾が欲しかったためだったのだ。
ほんのわずかでもわたしを好きかもしれないと期待してしまったことが、失敗の始まりだった。
祖父がいなければ、なんの価値もないわたしのことを好きになるわけなんてないじゃない。
お見合いでひと目ぼれして舞い上がってしまった。夫婦になればお互い意識して、彼が少しずつわたしを好きになってくれるかもしれないなんて思ってしまった。
そんな奇跡なんて起こりっこなかったんだ。
現実を知ったわたしはぽろぽろと涙をこぼした。そして荷ほどきを始めたばかりの荷物をもう一度詰めて、音を立てないように部屋を出た。
そしてわたしはそのまま、生まれ育った祖父の家に戻る。この行動がなにを意味するのかわからないほど子供じゃない。ドラマなんかでよくある「実家に帰らせていただきます」だ。ただわたしは相手になにも告げずに出てきてしまった分、卑怯だ。
とりあえず明日の朝には、祖父に事情を説明しよう。それまで、どういうふうに伝えれば慶次さんの不利にならずに祖父に納得してもらうか考えよう。
逃げ出したわたしはタクシーの中で、ない知恵を最大限に振り絞った。
わたしでは七尾さんの代わりにもならなかったということなのだから。
最初から事実にしっかりと向き合っていれば、ここまで傷つかなかったのかもしれない。慶次さんがわたしと結婚したのは、完全に祖父の後ろ盾が欲しかったためだったのだ。
ほんのわずかでもわたしを好きかもしれないと期待してしまったことが、失敗の始まりだった。
祖父がいなければ、なんの価値もないわたしのことを好きになるわけなんてないじゃない。
お見合いでひと目ぼれして舞い上がってしまった。夫婦になればお互い意識して、彼が少しずつわたしを好きになってくれるかもしれないなんて思ってしまった。
そんな奇跡なんて起こりっこなかったんだ。
現実を知ったわたしはぽろぽろと涙をこぼした。そして荷ほどきを始めたばかりの荷物をもう一度詰めて、音を立てないように部屋を出た。
そしてわたしはそのまま、生まれ育った祖父の家に戻る。この行動がなにを意味するのかわからないほど子供じゃない。ドラマなんかでよくある「実家に帰らせていただきます」だ。ただわたしは相手になにも告げずに出てきてしまった分、卑怯だ。
とりあえず明日の朝には、祖父に事情を説明しよう。それまで、どういうふうに伝えれば慶次さんの不利にならずに祖父に納得してもらうか考えよう。
逃げ出したわたしはタクシーの中で、ない知恵を最大限に振り絞った。