夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「亜梨沙は愛されておるの。お前を手に入れる為に理玖は頑張ったようじゃ。まぁ、奴への褒美に今回の朝帰りは大目に見よう。だがの…お前は久世の跡継ぎで女なのだ。自覚を持て。親戚連中はなんとしてもお前の婿を自分らの手の者をと考えておる。理玖以外の男に手篭めにされる可能性もあるのだぞ。久世を背負わせる負い目があるから、お前には好きになった男と添い遂げてほしいと思っておるのだが、連絡ができないようなら危うい目にあう前に、ボディーガードをつける事も考えるぞ」
にこやかに話す祖父に最後は、跡継ぎの身構えの薄さを痛感させられた。
「はい、肝に銘じます」
「予定外の行動をするなら、連絡は忘れるなよ」
「はい」
「本題だが、お前もニュースと理玖から聞いて知っておるだろうが、千堂製薬の下克上が起こった」
「詳しい内容までは聞いてません」
「まぁ、今頃役員会議で話し合ってる最中だろうが、元々、決まっていた事。今回、問題になっておる薬の成分の隠蔽は副社長の指示で行われていた。飲むだけで痩せると言ううたい文句。効果もない成分を使用し、逆に体調不良者が出ていることを隠蔽してきた副社長は退任。会長は辞職、社長はまぁ、運営には関われないが会長というポジションになるだろう。千秋が新社長に就任となる運びだ」