夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
そして、抱き上げることは今はできないが、祖父の腕の中には、生まれたばかりの三女。すやすやと眠っていたのだが、子供達の声にグズリ、母が抱き上げてあやす姿を、祖父は弱々しい微笑みで見ている。
昔の貫禄は今はなく、ひ孫にとても甘い年寄りでしかない。
「大丈夫だよ」と孫の小さな手を握り、撫でていた祖父は、もう、この世にいない。
子供達も大きくなって、両親も振り回されることが減った今、私達は、出会った島を訪れている。
港には、日暮さんが迎えに来ていて、温かく迎えてくれた。
「おー、理玖、歳をとったな。亜梨沙ちゃんは、変わらず別嬪さんだ」
「ふふ、ありがとうございます。真耶さんはお元気ですか?」
「朝から張り切ってたから、2人の部屋を掃除してるよ。後であえるさ」
「…そっちこそ爺さんじゃないか」
元気そうに見えるが、腰を少し曲げた日暮さんに驚いているのだろう。
「口の悪いのは、変わらんか。あはは」
豪快に笑う姿は、懐かしい。
「コテージは、古くなってな…今はコンテナのホテルなんだよ。意外と快適で、好評だ」
「へー、15年も経つと、変わるものだな」
「住んでる住民は歳をとったものがほとんど