夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「千堂さん、ちゃんとした服も持ってたんだね」

「そっちこそ、昼と別人だなぁ。背伸びして年齢詐称してないか?」

昼間は、今、着ている大人っぽさがなかった。ロゴが大きくプリントされた白Tシャツにデニムのショートパンツ姿だった私は、童顔なせいもあり、年齢より若く見えたらしい。

「失礼ね。これでも24歳の大人ですけど、いくつだと思ってたの?」

「はぁっ、24⁈19か20歳の大学生だと思ってた」

「そういう千堂さんは、いくつなの?」

「29」

「ふーん」

思ってた通りの年齢で、5つ上なんだ…と、内心意味もなく喜んでいる。

「ふーんって、他に言うことないのか?」

「例えば?」

「歳より若く見えますねとか、独身ですか?ってあるだろう」

「あーなるほど。歳より若く見えますね。独身ですか?」

どうでもいいふうを装って、真似をする。心の内では、彼女さんいるんのかなぁ?と気になっている自分に知ってどうする?と、叱咤していた。

彼に彼女がいてもいなくても、私には関係のない話だ。

「俺をこんなぞんざいに扱う女、お前が初めてだ」

と、なぜだか嬉しそうに言った彼に頬を摘まれていた。
< 17 / 168 >

この作品をシェア

pagetop