夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「千堂さん、ちゃんとした服も持ってたんだね」
「そっちこそ、昼と別人だなぁ。背伸びして年齢詐称してないか?」
昼間は、今、着ている大人っぽさがなかった。ロゴが大きくプリントされた白Tシャツにデニムのショートパンツ姿だった私は、童顔なせいもあり、年齢より若く見えたらしい。
「失礼ね。これでも24歳の大人ですけど、いくつだと思ってたの?」
「はぁっ、24⁈19か20歳の大学生だと思ってた」
「そういう千堂さんは、いくつなの?」
「29」
「ふーん」
思ってた通りの年齢で、5つ上なんだ…と、内心意味もなく喜んでいる。
「ふーんって、他に言うことないのか?」
「例えば?」
「歳より若く見えますねとか、独身ですか?ってあるだろう」
「あーなるほど。歳より若く見えますね。独身ですか?」
どうでもいいふうを装って、真似をする。心の内では、彼女さんいるんのかなぁ?と気になっている自分に知ってどうする?と、叱咤していた。
彼に彼女がいてもいなくても、私には関係のない話だ。
「俺をこんなぞんざいに扱う女、お前が初めてだ」
と、なぜだか嬉しそうに言った彼に頬を摘まれていた。