夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「どれも魅力的なんだけど、千堂さんのおすすめってある?」
「そうだなぁ、ここの唐揚げは絶品だし、オーナーのフルーツドライカレーは美味い。骨付きラム肉のステーキもおすすめだな。魚は、釣りたてをさばくから、新鮮で美味いぞ。煮魚定食もいいけど、刺身定食を絶対に食べるべきだ」
普段の生活では、新鮮なお魚なんて滅多に食べれないと豪語するので、私はお刺身定食を頼むことにし、彼は唐揚げ定食に決めた。
すると、舟盛に乗ったお刺身で出てきて驚かされる。
「これって、通常運転なの?」
「驚いたろ」
してやったり顔で口元を綻ばせた彼は、軽快に笑い、少し重そうなそれを持ってくれたので、代わりに私は唐揚げ定食を持ってあげる。
「おっ、悪いな」
「こっちこそ、重いのにありがとう」
黙って、じーっと見つめられると、何かしただろうかと首を傾げた。
「お前、いいな」
「なに?」
「いや、こっちの話。それより、あっちの浜よりの席がおすすめだ」
席に座り、窓から見えた雲ひとつない透き通った夜空は、今まで見た夜空より低く感じ、すぐそこで星が輝いていて、とても綺麗だ。
「手を伸ばしたら、届きそう」
はしゃぐ私の呟きを拾ってくれた彼は、「だろ」と嬉しそうに笑っていた。