夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

魅力的な誘いに、おとなしくしていると誓ったのだった。

具沢山さんのお味噌汁でお腹が膨れ、真耶さんに、昼食はいらないと告げてコテージに戻り、読書をしたり、窓から見える景色を眺めたりと、ダラダラと時間を過ごした。

予定通りの時間に理玖がやって来て、上から下まで私の服装を見ている。

「なによ?」

「いや、ちゃんと、歩きやすい服装だと感心してたんだ」

「私が昨日のようなひらひらの服で出てくると思ってたの?」

「まぁ…」

「舗装されてない道路ならスニーカーに、ズボンのほうが歩きやすいじゃない。楽しみにしておとなしく待ってたんだから、早く食べて、灯台に行こう」

「楽しみにしてたのか?」

「当たり前でしょ。ほら行くよ」

理玖を急かして食堂へ向かった。

食堂に着くと、真耶さんがワンハンドルのバスケット
を出してきた。

「今日は、雲ひとつない綺麗な空よ。流れ星も見れるかもしれないわね。籠におにぎりと水筒を入れておいたわ」

「急に頼んで、悪い」

「いいのよ。デート楽しんでらっしゃい」

「で、デート⁈ち、違いますよ」

「違うから…」

理玖の否定する声に、なぜかズキッと胸が痛んだ。
< 26 / 168 >

この作品をシェア

pagetop