夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「あら、違ったの?私はてっきり…まぁ、楽しんで来て」
宿を出て、灯台に向かって歩き出したら、バスケットを持つ反対の手で自然と手を繋いでくる理玖。
その手を振り払う勇気がなく、ドキドキする気持ちを誤魔化したくて、思いつきで話しだした。
「夕食を食べてからじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけどな…真耶さんに灯台に行くって話したら、お弁当作ってあげるって言うから、断れないだろう」
「そうだね。でもさ、お弁当に驚くより、デートだなんて勘違いしてて驚いたよ。私達、そんなんじゃないのにね」
そうでも言わないと、胸の痛みの理由を誤魔化せない気がしたからだった。
「まぁ…男と女が一緒に出かけるなら、これもデートだろ」
「…ふふふ、知り合ったばかりだけど、男友達と出かけるってなるとデートってことになるのかな」
『友達かよ』
と、呟きが聞こえた気がした。
突然、不機嫌になり、道中、無口になるが、繋いだ手はそのままだった。
灯台へ上がる階段を登って行くと、広い見晴らし台の中に立っていた。
海に向かって照らす灯りが、幻想的に見えるのは、キラキラ光る沢山の星達がいるからかもしれない。