夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
広場にあるベンチに座り、籠から取り出した大きめの弁当箱には、具沢山の種類の違う大きなおにぎらずが詰められていた。
「あの人は、加減ってものを知らないのか?」
「ふふふ、そうだね。でも、折角作ってくれたんだし、食べよう。どれにする?」
「…先に取らないのか?」
「えっ、理玖が先に選びなよ。バスケットを持ってくれたんだから、真っ先に選ぶ権利はあるわよ」
「…ほんと、おまえのそういうところだよ」
「なによ。選ばないなら、私が先に選ぶわよ」
「うわっ、待て待て…」
なんだかんだと言いながら、食べ終わる度におにぎり選びでじゃれあい、楽しい時間を過ごし、夜も深くなろうとする。
「あっ、流れ星…待って、願い事考えてなかった」
「子供か」
「えー、いいじゃん。流れ星に願い事するのは、大人も子供も関係ありません」
「あっ、またきた」
慌てて、願い事を唱える。
お爺さまが、少しでも長く生きられますように…
「なに、願ったんだ?」
「言ったら、叶わないでしょ。理玖は、お願い事したの?」
「いや…俺は願うより、行動する派だ」
意味がわからないが「へー、そうなんだ」と聞き流し、日付が変わる頃までたわいもない話をしながら星を眺めていた。