夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
そして、キスにより体力を削ぎ落とされた私は、窓辺に鎮座するソファに座らされ、テーブルに腰掛けて両足で私の膝を挟んだ理玖により、逃げ場を塞がれていた。
「さて、話をしよう」
スーツの上着を脱ぎ、後ろのソファに投げる。それから片膝に肘をつき、顎を乗せて視線を合わせてくる理玖の目に射竦められ動けないでいた。
膝の上に重ねていた上の手を、理玖の空いてる手が引っ張る。
理玖と顔の距離が縮まっていた。
ドキドキする距離に、更に冷静さを失いつつある私の隙をつき、身動きできないように後頭部を押さえてきた。
「松浦 亜梨沙、いや久世 亜梨沙」
何かを我慢している低い声にビクッとなる。
「俺の恋人には、婚約者がいるんじゃなかったのか?」
「…俺の恋人って…私?」
「他に誰がいる」
「だって、愛する人って」
「あぁ、愛する人と結婚って話か…」
「うん」
「お前以外に愛しい女はいない。諦められなかった。だから、どんな手を使ってでも探そうと思っていたら、再会した。でも、久世 亜梨沙だもんな」
会いたかったのは、自分だけじゃないのだと…嬉しさに目が潤む。
理玖は、膝についていた手の指で、私の頬をつねり苦笑していた。
「そんな顔されたら、怒るに怒れないないだろう」