夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「ごめん」
「ごめんで、終わりか?」
目の前の男は、不機嫌に唇を尖らせる。
その唇に、チュッとキスをしたら、拗ねながらも口元をピクリと緩める理玖。
「ごまかされないからな」
「会えて嬉しい」
必死に照れ臭ささを隠そうとする理玖に、愛しい気持ちが溢れて抱きついていた。
すると、構えていなかった理玖は咄嗟にテーブルに手をついて体勢を保ち驚いている。
だが、それも一瞬のこと。
はぁーと、一息吐き出した理玖は、あっと言う間に私ごと目の前のソファ移動し、開いた彼の片膝の上に座わらせていた。
「あー、ほんとに怒ってたんだぞ」
呆れたように笑う理玖。
そして、くすぐるようなキスが始まった。
唇、頬、瞼、鼻先とおでこに移動する唇が、皮膚にほのかな熱を残し、くすぐったさを残していく。
「亜梨沙が、久世の爺さんの孫だったとはな…はぁー、なんでお前が跡継ぎなんだよ」
キスの後、帯ごと抱きしめて嘆く理玖に、どう言葉を返していいかわからないでいた。
「あークソ。…爺さんと一緒に会っていた若い奴ら、お前の婚約者候補だよな。一人一人に吟味してたってことか!なら、正式に決まってないんだな⁈」