夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「久世にも千堂にも興味がない。自由でいたいと聞いてます」
「それが許せないのです。いつまでも本気にならない。後継者として育ちながら、約束された椅子を簡単に捨てようとする。私は、外戚というだけで常に日陰の身。いらないなら、私がもらってもいいでしょう」
組んだ手に顎を乗せて、私に不敵な微笑みを浮かべる。
「それは千堂製薬の社長の椅子に座るということですよね」
「えぇ、私はその為に外戚から今の地位までのぼりました。ですが、千堂製薬にあいつがいるだけで、周りが小うるさいんですよ。それで、私は掃除をすることにしました」
「掃除ですか?」
「はい」
ニコニコと笑っているが、私には何のことかさっぱりで困惑していた。
「しばらく、亜梨沙さんが私とこうして食事をしてくれるだけで全てが上手く動くので、ご協力お願いします。あなたも理玖を夫にしたいでしょう⁈」
「千秋様とお食事するだけで、理玖と一緒になれるのですか?」
「それはあいつ次第です。まぁ、私に協力頂けるなら私も助力いたします。どうです?」
千秋様を怪しげに見つめても、不敵に微笑むだけで、こちらの返答を待っている。