夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
だが、千秋様と会っていたことを許せないらしく、理玖から理不尽なお仕置きを幾度となくされ疲れ果てた私はうつらうつらと夢へ向かって意識が薄れ始める。
「加減できなかったからな」
理玖の肌の温もりと2人分の体温で暖まった布団の中で、抱きしめられていた。
「朝、目が覚めたら、話しよう」
おでこにチュッと触れた唇を合図に、私は夢の中へ。
TVの音に目が覚めた。
「理玖?」
「起きたか⁈」
「…うん」
ヘッドボードに背を預けてTVを見ていた理玖が私の頭を撫でるので、まだ半分も覚醒していないまま理玖の側に擦り寄り、TVに目を向けた。
すると、朝のワイドショーはどこも千堂製薬の話題で討論している。
『内部告発により明るみになった千堂製薬の闇』
『数年前から隠蔽工作』
『査察をどう切り抜けていたのか?』
一気に目が覚め、体を起こした。
「千堂製薬だよ」
呑気にTVを見ている場合ではないだろうに、顔色一つ変えずワイドショーを見ている。
「ねぇ、大変な事になってるのに、急いで会社に行かないといけないんだよ」
焦っているのは私だけで、理玖はTVを消した。
「大変だなぁ」
人ごとのように笑っている場合かと、彼の体を揺すった。