夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
「どうして落ち着いてられるのよ。理玖の会社だよ」
「あれ、リークしたの俺だからな。こうなるわな」
「はい?」
「理玖、大丈夫?」
熱でもでて頭がおかしくなったのかと思い、思わず彼のおでこに手を当てた。
「熱なんてないぞ」
「でも…自分の会社なのに?」
「正確には、千堂家が代々経営してるだけで、俺のものじゃない」
「そうだけど、理玖のお父さんが社長でしょ!大丈夫なの?」
「だな…ついでに副社長が親父の2番目の弟。会長が祖父さんだな」
呑気に家族の役職を説明してくる理玖に呆れ、背を叩いた。
「会社が大変なのに、忙しいで向かわなくていいわけ?」
「いいんだよ。俺役員じゃないし。会長も社長も社内の膿を出したかったんだ。これを機に、役員等の総入れ替えで千堂製薬は新しく生まれ変わる。千秋の思うツボ。千堂に執着のない俺は、駒に使われたんだよ」
「御曹司なのに?」
「そう、御曹司なのに、休む暇もなく馬車馬のように働かされたんだ。彼氏を癒やしてくれよ」
そういうなり、胸の膨らみに顔を埋め抱きつく理玖。
「もう…お疲れ様」
理玖の後頭部を撫でながら、大企業っていろいろとあるのねとニュースを眺めていた。