シングルマザー・イン・NYC

篠田さんは、慧のことを知ったらどんな反応をするだろう。
その前に、私に連絡をくれるだろうか。

「……ねえ、ママ……ママったら」

「えっ?」

慧の声に我に返る。

「ねー、さっきから僕の話、ちゃんと聞いてないよね。里香ちゃんがいない夕食の時間は、二人だけのお話タイムでしょ? その態度、良くないよー。全然食べ進んでないし、ご飯冷めちゃう」

私とそっくりの口調だ。

「……慧、日本語上手になったね」

「そりゃ、毎日ママと里香ちゃんとしゃべってるから。けどさ、僕の日本語って、女の子っぽいんじゃない?」

それはあるかも……。

「かわいいよ」

「……ちゃんとした、男っぽい日本語も覚えたい」

「それって、お父さんが欲しいってこと?」

慧はきょとんとした顔をし、その後で、さもおもしろそうに笑った。

「ママ、話、飛躍しすぎ―。週末の補習校とか行ったら、日本人の友達出来るでしょ。そしたら覚えやすいかなって」
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