シングルマザー・イン・NYC
「そっか。慧、詳しいね」

私は補習校のことなんて、考えていなかった。

「隣のクラスに日本人の女の子がいて、その子が教えてくれた」

「へえ」

「ねえ、ところでさっきの話なんだけどさ」

「え?」

「やっぱり聞いてなかったよね。明後日の遠足、シャペロンが足りなくなっちゃったんだって。ママ、サロン定休日でしょ、一緒に行かない?」

シャペロン、というのは、遠足の付き添い係のことだ。

遠足と言っても、概ねスクールバスで目的地まで運んでもらうという、至極らくちんな行事なのだが、子供の安全を考え、その都度保護者のボランティアを募り、数名が同行することになっている。

「いいよ、行く。スクールバス、一度乗ってみたかったし。慧を送って、そのまま玄関ホールで待機していればいいのよね?」

「うん、そう」

「じゃ、先生にはママからメールしておくね」

担任の先生のメールアドレスは公開されていて、気軽にコミュニケーションが取れるようになっている。これは本当に便利で助かる。
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