シングルマザー・イン・NYC
食器を片付け、ベッドで慧に読み聞かせをしている間も、私は篠田さんからの電話が来るのではと、気になっていた。
シャワールームにもスマホを持ち込んだ。
だが一向に連絡はない。
あんなに緊張してホテルに伝言を頼んだのに、と、少し腹立たしい気持ちになってきた。
そして、十時半ごろ帰宅した里香ちゃんとしばらくおしゃべりしながらビールを飲んでいたら、一日の疲れが出たのか、強い眠気に襲われてしまった。
「里香ちゃん、私そろそろ歯磨きして寝るね」
「うん。おやすみー」