シングルマザー・イン・NYC
朝食はルームサービスで、私がシャワーを浴びている間に、篠田さんが頼んでくれていた。

バターミルクパンケーキにバナナとブルーベリー、オレンジジュース、それにたっぷりのコーヒー。

気恥ずかしくて、なかなか篠田さんの顔を真っすぐ見られなかったけれど、おいしい朝食をとりながら話しているうちに、だんだんいつもの調子に戻ってきた。

「篠田さん、オペラもホテルもびっくりしました」

「敬語」

「……オペラもホテルもびっくりしちゃった。ありがとう」

「いいよ、気にしないで。希和と出会ってからとても楽しく過ごさせてもらったから、そのお礼。今日はこれからどうする? 希和、疲れたよね。部屋に帰る?」

「うん。そうしようかな。洗濯も溜まってるし」

「俺もだ」

私たちは笑った。
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