シングルマザー・イン・NYC
「希和」

目を覚ますと、篠田さんが片肘をついて私を見ていた。
カーテンが開けてあって、差し込む光が眩しい。

「おはよう」

「おはようございます」

「もう敬語やめない?」

「え……」

「俺たち、深い仲になったでしょ」

篠田さんは、冗談めかした言い方をした。

「はい……ええと、うん」

「大丈夫?」

「何が?」

「その……激しかったかなと……あと、照れるよね」

そう言われ、昨夜のことがまざまざと脳裏によみがえった。

あんなこともこんなことも、してしまった。
思わず私はシーツを頭の上まで引き上げた。

そんな私を、篠田さんはシーツの上から抱きしめた。

「愛してる」

「――私も」
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