シングルマザー・イン・NYC
アレックスが窓の所に行くと、もう一度「コツン」と音がした。

アレックスが十センチほど窓を開け、その隙間から下を見た。

「アレックス! 希和、そこにいるんだろ? 話したい!」

篠田さんだ。

「……どうする? 希和。部屋に上がってもらえば?」

どうしよう。怖い。

「俺は自分の部屋にいるから。心配しなくていいよ。何かあったらすぐ出て行くから」

「……わかった。ありがとう」

私が答えるとアレックスはフロントに電話をし、篠田さんが私たちの部屋に来るので入れるよう、伝えた。
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