シングルマザー・イン・NYC
「ね、出産前後はしばらく会えなくなるでしょうし、是非私に開催させてちょうだい」

「でも――」

「大げさにはしないから。私の家で、軽く食事をして楽しくおしゃべりしましょう」

「……」

「ね? お願い」

カミーユさんの魅力的な笑顔と強い推しに、私は折れた。

「わかりました。ありがとうございます」

「ギフトはどうする? 欲しい物のリスト、作る? それとも各自自由に持ってきてもらう?」

合理的なこの国では、お祝いに欲しいものを事前登録するシステムがある。

「皆さんにお任せでお願いします」

「性別は?」

「男の子です」

そう、赤ちゃんは男の子だ。
もしかして、篠田さんにそっくりに育ったりするのだろうか。
< 68 / 251 >

この作品をシェア

pagetop