シングルマザー・イン・NYC
突然手持ち無沙汰になった俺は、窓の外に広がるニューヨークの夜景を眺めた。

高層ビルの窓やネオンの明かり、車のライトなどがキラキラと瞬いている。

希和の部屋は――あのへんだな。
北上して、セントラルパークの少し西側だ。

今日中に――とはいっても、さすがに深夜に行くわけにはいかないから、タイムリミットは10時くらいか――会いに行けるだろうか。

おなじニューヨークでも、今俺がいるロウアー・マンハッタンとアッパー・ウエストサイドでは、かなり雰囲気が違う。

ニューヨークはエリアごとに多彩な顔を持っている。

その時、スマホが鳴った。

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