セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】


 颯真(そうま)に女性の影、そんなのは彼と結婚してから初めての事だった。五年間ほとんど会話も無いような夫婦関係だったが、一度だって颯真が花那(かな)以外の女性の存在を匂わせるようなことは無かった。
 彼は真面目な性格でいい加減な気持ちで女性と関係を持つようなことをするとは思えない、だとすればこうして連絡してきた人とは真剣なお付き合いということなのだろうか?

「もしそうだとしたら、いったい何時から……?」

 五年間でこの契約結婚は終わりを迎えるはずだった、もしかしたら颯真はそのつもりで別の女性と関係を持っていたのかもしれない。
 いつまでも離婚しない自分の存在に焦れてこうして女性がメッセージを送ってきたということなのか。頭の中がグルグル回っているようで花那は吐き気が込み上げるのを感じ洗面所へと走る。

 胃の中が空になっても吐き気は収まらず、花那はしばらくその場から動けないままだった。落ち着いてから立ち上がる、口をゆすいで置きっぱなしにしていたスマホの画面をもう一度開いた。
 送られてきたメッセージは一通だけ、その後花那のスマホに何かが送られてくることは無かった。だが送られてきた時間に颯真は間違いなく職場にいたはず、だとすれば……

「相手の女性は、颯真さんの職場にいるってこと……?」

 いつから? どんな女性と? 気付かなかった事だらけで花那は一気に不安に襲われる、契約でも自分は颯真の妻だったはずなのに。急に出てきた女性の存在に、彼女は自分の居場所さえ分からなくなりかけていた。


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