セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「深澤さん、担当医師が幾つか検査を行いたいそうなんだけど今からいいかしら?」
申し訳なさそうに声をかけてくる看護師が、颯真に頭を下げ花那の返事を待っている。大事な話をしている、そう言いたかった花那だが夫の颯真は一歩下がって……
「それじゃあ俺はこれで失礼します。花那、明日また来るから」
「え? ちょっと、颯真さん」
花那が颯真を引き留めようとしたが、彼は聞こえないのかそのまま病室を出て見えなくなった。まだ何も分からない、知りたいことはたくさんあるのに上手くいかない。
「ごめんなさい、お主人に気を使わせちゃったみたいで。今車いすを持って来るわね」
「はい……」
花那は起き上がる事も難しい状態だ、きっと歩いて検査を受けに行くことなどまだ無理だろう。自分の怪我の状態すらよく分かっていない、花那は大きなため息をついた。
——結婚の事、夫である颯真さんの事。亡くなった母や事故のについて。まだまだたくさん知らなきゃいけない事があるわ。
真面目で前向きな性格の花那は、この状況をしっかりと受け止めこれから先の事を颯真と話し合っていこうと決めたのだった。
「花那が記憶喪失……? じゃあ俺はこれから、彼女にどんな風に接すればいいんだ?」
病院の駐車場に停めていた車の中で、颯真はこれから先の事を何も考えられれずに頭を抱えていた。