ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
推しのヤキモチが止まりません


織くんのお家にお世話になって1ヶ月半。


あの壁ドンから、吉村さんたちが私に嫌がらせすることはなくなり。


平穏な日常が戻りつつある10月下旬。
木々が赤や黄色に色めき。


学校では来月に行われる学園祭の準備が始まっていた。


うちのクラスは校舎の中庭で焼きそばの模擬店をすることになり。


ただいまお店の看板や商品名が大きく書かれたメニュー表作りを行っている最中。


基本のソース焼きそばに目玉焼きやオムレツどちらかトッピングを選べるようにもなっていたり。


メニュー表を作りながらその文面だけでお腹が空く。


さっき愛菜さんお手製のお弁当を食べたばかりだと言うのに。


グ〜〜〜。
う。しまった。


静かすぎるいつもの授業とは違い、今はどこのクラスも学園祭の準備のためあちらこちらから作業の音や話し声が聞こえるから、


私の腹の音がすこぶる目立つわけではないけれど、なんて思っていたら。


「ふはっ」
正面から盛大に吹き出す声が聞こえた。

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