ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。





はぁ……恥ずかしい。


まさか織くんの前で鼻血を出してしまうなんて。


「よかったね、すぐ止まって」


「織くん、引いた?」


「引くとかはないけど、ちょっとびっくりした。大事にならなくてよかった」


ハハハ。やっさしいなー。泣けてくる。
興奮して鼻血出す女とか絶対嫌に決まっているのに!!


織くんが『すごくかわいい』って言った時の表情。


もう私の知っている言葉では言い表せられないぐらいの素晴らしいもので。


心臓が大暴れで大変だった。


織くんにあんな顔をさせちゃう子、すごすぎるよ……。


一体どんなかわいい子なんだろうか。


相手が誰であろうと、あんな顔する織くんを見せてくれた彼女には、感謝の気持ちでいっぱいである。


「織くん、好きな人と上手くいくといいね!推しの恋!私は全力で応援する派だよっ!」


「んー……でもその子、好きな人いるから」


「え……そんなもの、織くんが告白したらコロッといちゃうよ……織くんが片想いしている世界なんてあるの……」


信じられないすぎる。

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