エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
それがウリのマンションなのだが、雅樹が選んだ理由は、病院から徒歩五分という立地が主な理由である。
呼び出しにすぐに応じられるから、ということらしい。
コンシェルジュ付きなので、クリーニングを頼んだり、長期不在時に郵便物を預かってもらえたりすることも気に入っている点であるそうだ。
それを真由美に教えたら、呆気にとられた顔をされた。
「あのね、聞いた時は私も、えって思ったよ。二十二階で眺めがいいから選んだと思っていたから。いつでも病院に駆け付けられるようにって、すごいよね」
同調したつもりでそう言ったのだが、真由美に思い切り首を横に振られた。
「違う。セレブしか住めないタワマンを、『普通のマンション』と言った友里に驚いたの。時々忘れそうになるけど、友里ってやっぱりお嬢様なんだね。友里の実家も気になるわ。どんな家?」
「実家も普通の一軒家で……あ、普通より、少しだけ大きいかも……」
友里が父と暮らしていたのは高級住宅街の一軒家。
地上三階、地下二階。部屋数は十八ある。
友里も家事をするけれど、家政婦がふたりいて、父の車の専属運転手も雇っている。
呼び出しにすぐに応じられるから、ということらしい。
コンシェルジュ付きなので、クリーニングを頼んだり、長期不在時に郵便物を預かってもらえたりすることも気に入っている点であるそうだ。
それを真由美に教えたら、呆気にとられた顔をされた。
「あのね、聞いた時は私も、えって思ったよ。二十二階で眺めがいいから選んだと思っていたから。いつでも病院に駆け付けられるようにって、すごいよね」
同調したつもりでそう言ったのだが、真由美に思い切り首を横に振られた。
「違う。セレブしか住めないタワマンを、『普通のマンション』と言った友里に驚いたの。時々忘れそうになるけど、友里ってやっぱりお嬢様なんだね。友里の実家も気になるわ。どんな家?」
「実家も普通の一軒家で……あ、普通より、少しだけ大きいかも……」
友里が父と暮らしていたのは高級住宅街の一軒家。
地上三階、地下二階。部屋数は十八ある。
友里も家事をするけれど、家政婦がふたりいて、父の車の専属運転手も雇っている。