エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
雅樹が友里と自分の左手の指を絡ませた。

「俺たちは夫婦。体を重ねるのも自然なことだ。経験がないことが怖いと言ったね。大丈夫。俺が教える。友里は俺に身を任せていればいい」

(私たちは夫婦。まだ心が追いつかないけれど……)

友里は戸惑いながらも小さく頷いた。

なぜ受け入れようと思ったのか。絡めた指が、今まで眠っていた情欲を目覚めさせ、抱かれてみたいと思わせたのか……友里自身もわからない。

雅樹の指が友里の顎先にかかる。

自分の大きな鼓動を耳にしながら目を閉じれば、重なった唇の温かさや柔らかさを感じた。

一枚一枚、ゆっくりと服を脱がされ、下着姿にさせられる。

自分の服は手早く脱ぎ捨てた雅樹が、友里をシーツに横たえた。

彼はスリムな体形だが、ほどよく鍛えており、腕や胸に逞しい筋肉が見て取れた。

馬乗りになる彼にじっと見下ろされ、友里は真っ赤な顔を横に背けた。

恥ずかしくて、どうしていいのかわからず、体を両腕で隠そうとする。

(そんなに、見ないで……)

雅樹がフッと笑った。

「その下着、そそられる。俺に抱かれる準備をしていたの?」

「えっ……?」

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