蒼月の約束
着いた先には、巨大な鏡のような水盆があるだけだった。
一面に広がる水が静かにたゆたい、空に浮かぶ大きな蒼い月を映し出している。
「ブルームーン…」
女王の近くにいた男性が、空を見上げて呟いた。
女王は何も言わず、水盆の近くに歩み寄り、数段ある階段の前で止まった。
「生贄はどこだ」
冷たい声でそう言い放つ。
男性の後ろから、口を塞がれ、両腕を背中で縛られている若い女が、複数の男性に鎖で引きずられるようにして現れた。
「ここに」
「連れてこい」
女王の命を受けて、大木のような男性が代わりに女の鎖を掴む。
そして強く引っ張りながら女王に差し出した。
女は、大きな緑色の瞳から大量の涙を流すしか出来なかった。
どうしてここいるのか、なぜこういう状況になったのか、分からないのは自分だけだ。
一面に広がる水が静かにたゆたい、空に浮かぶ大きな蒼い月を映し出している。
「ブルームーン…」
女王の近くにいた男性が、空を見上げて呟いた。
女王は何も言わず、水盆の近くに歩み寄り、数段ある階段の前で止まった。
「生贄はどこだ」
冷たい声でそう言い放つ。
男性の後ろから、口を塞がれ、両腕を背中で縛られている若い女が、複数の男性に鎖で引きずられるようにして現れた。
「ここに」
「連れてこい」
女王の命を受けて、大木のような男性が代わりに女の鎖を掴む。
そして強く引っ張りながら女王に差し出した。
女は、大きな緑色の瞳から大量の涙を流すしか出来なかった。
どうしてここいるのか、なぜこういう状況になったのか、分からないのは自分だけだ。