幻想館-白雪姫-

七色

私は目が覚めた。



周りの音が耳に入り少しずつ状況を把握し始めた


私は生きている。


そう実感した。



「生きて」と言われてからどの位経ったのだろうか・・・?



少女との別れ。


その後に襲ってきた痛み


そして、出血・・・。



私は死ぬのだと思った。



いえ、死んでもいいと思った・・・。


約束したばかりなのに・・・。


自分の弱さが嫌になるくらい。



そんな私の為に、少女は手を差し伸べていた。



いつまでも


いつまでも



そう・・・私の目が覚めるまで。




現実の世界。


私はひとりだと思った。



人を殺めてしまった私に誰が寄って来るのでしょう。



これからの事を考えると・・・





私の体調が回復すると警察が病室を訪れた。



私は覚悟する。



「如月と申します。
実は被害者の方から話をしたいと申し出がありました」


えっ・・・彼女は生きてるの?
< 27 / 29 >

この作品をシェア

pagetop