妹を溺愛する兄が先に結婚しました
***



ムカつく。


「荒れてるね」


昇降口を出て、隣を歩くイッチーが可笑しそうに言った。


「は?別に普通だろ」


「今の自分の顔、鏡で見てみたら?」


どんな時だって柔らかいイッチーにいつもなら毒気が抜かれるのに。

今はどうしようもなく抑えられない。


……確かに、イライラはしている。



振り回してやろうかと真崎を呼び出したはいいけど。

どういうわけか、あの男を連れてきた。


時原、だっけ。


適当に言葉を繕って弄ぶ俺とは違い、あからさまに嫉妬心をむき出しにしてきた。



イライラが止まらないのはあの日からだ。



「……?」


校門に近付いた時、帰宅する生徒の視線が一点に集中していた。


視線の先に真琴がいて、知らない男の人と話している。


若い20代の男性。

目を引くほどのルックスで、バックには赤いセダンの車。


イケメンの大人が校門前にいたら、そりゃ見てしまうよな。

と、つい俺も見ていると……。


振り返った真琴と目が合った。


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