バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
私は席に戻り、あまりの展開に言葉が出なかった。
営業部の採用に苦戦してたので、これで終わったことは嬉しい。
でも、まさか赤星さんが来るなんて。

「景山くん、営業部の募集、止めてくれる」
「えっ、どうしてですか?」
「決まったから」
景山くんは把握できてないのか、固まっている。
「光先商事とのプロジェクトで営業担当の赤星さんっていたでしょ」
「はい、始めにプレゼンしていた・・・」
「そう、赤星さんが来週からうちに来るから、入社手続き準備してね」
「わ、わかりました」
何だか波乱の予感がする・・・

次の週になり、吉本さんが赤星さんを連れて、社内に挨拶をして回っている。
私の所に、吉本さんと赤星さんが来た。
「緑川さん、改めてお願いします」
「こちらこそ。わからないことがあれば、先日ご紹介した景山くんに聞いてください。私の右腕っていう存在ですので」
「右腕っていうより、指くらいの存在ですが、宜しくお願いします。」
「こちらこそお願いします、」

「緑川さん、入社説明はしてくれるの?」
中途採用時には、入社に関する手続きや規則の説明に半日時間を取っている。
「この後に説明しますので、午前中、お時間ください。詳細は景山くんがしますので、その前に労働条件については私がします」
「ありがとう。そうしたら、終わったらまた来るね」
「はい、わかりました」
2人は挨拶回りに席を離れていった。
< 30 / 89 >

この作品をシェア

pagetop