バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
その時、会社貸与の携帯が鳴った。
営業課の課長、吉本さんからだ。
「あぁ、緑川さん、契約書の押印お願いしたいんだけど、今いいかな?」
「大丈夫ですよ。あっ、今度の会議資料をお渡ししたいので、私、そっちに取りに行きます」
「じゃあ、お願いしようかな。応接室にいるから、担当の方いるけど入って来てくれていいよ」
光先商事と言えば、主要株主にあたる客先だ。
会議資料を吉本さんの席に置いた後、応接室をノックし、ドアを開けた。
「失礼します」
顔を上げ、笑顔を向けたその先に座っていたのは、忘れもしない、この間私が平手で叩いてしまった彼だった。
「ありがとう。こちらは光先商事の赤星さんだ。赤星さん、人事課長の緑川です」
「またお会いしましたね」
「えーっと、お知り合いですか?」
吉本さんが2人の顔を交互に見ながら、驚いた顔をしていた。
どうか本当のことは、言わないで下さい!
「えぇ、先日、ハンカチを落とされまして、私が拾ってお渡ししたんです」
良かったぁ、肝心なところは言われなかった。
「私、人事課長の緑川です。先日は、ありがとうございました。今後とも当社を宜しくお願い致します。では押印してお持ちします」
き、気まずい・・・まさか光先商事の営業マンだったなんて・・・
私は冷や汗をかきながら部屋から出て行った。
営業課の課長、吉本さんからだ。
「あぁ、緑川さん、契約書の押印お願いしたいんだけど、今いいかな?」
「大丈夫ですよ。あっ、今度の会議資料をお渡ししたいので、私、そっちに取りに行きます」
「じゃあ、お願いしようかな。応接室にいるから、担当の方いるけど入って来てくれていいよ」
光先商事と言えば、主要株主にあたる客先だ。
会議資料を吉本さんの席に置いた後、応接室をノックし、ドアを開けた。
「失礼します」
顔を上げ、笑顔を向けたその先に座っていたのは、忘れもしない、この間私が平手で叩いてしまった彼だった。
「ありがとう。こちらは光先商事の赤星さんだ。赤星さん、人事課長の緑川です」
「またお会いしましたね」
「えーっと、お知り合いですか?」
吉本さんが2人の顔を交互に見ながら、驚いた顔をしていた。
どうか本当のことは、言わないで下さい!
「えぇ、先日、ハンカチを落とされまして、私が拾ってお渡ししたんです」
良かったぁ、肝心なところは言われなかった。
「私、人事課長の緑川です。先日は、ありがとうございました。今後とも当社を宜しくお願い致します。では押印してお持ちします」
き、気まずい・・・まさか光先商事の営業マンだったなんて・・・
私は冷や汗をかきながら部屋から出て行った。